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Taku Miyagawa

薬機法の広告規制は誰に及ぶか~ステラ漢方事件

更新日:2022年7月28日

薬機法の広告規制は一般従業員にも及ぶことを実例を下に検討する


薬機法の広告規制


薬機法は、医薬品等の広告についても規制をしています。

健康食品や化粧品のD2C/EC事業者や広告代理店、インフルエンサーマーケティング事業者、インフルエンサーなどが留意すべき規制は以下のものです。

・誇大広告等の禁止(薬機法66条)


第66条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。
2 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。
3 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品に関して堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない。

・未承認医薬品の広告禁止(薬機法68条)


第68条 何人も、第十四条第一項、第二十三条の二の五第一項若しくは第二十三条の二の二十三第一項に規定する医薬品若しくは医療機器又は再生医療等製品であつて、まだ第十四条第一項、第十九条の二第一項、第二十三条の二の五第一項、第二十三条の二の十七第一項、第二十三条の二十五第一項若しくは第二十三条の三十七第一項の承認又は第二十三条の二の二十三第一項の認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。

※誇大広告等の禁止、未承認医薬品の広告禁止の詳細は別に述べます。


薬機法の広告規制は誰に及ぶか


誇大広告禁止及び未承認医薬品の広告禁止の各条文は、いずれも

何人も…してはならない」

と定めています。


「何人も」というのは誰でも、いかなる者もということですので、医薬品等の誇大広告や未商品医薬品の広告の規制対象者は、販売業者(広告主)に限定されず、

✓広告メディア(Webメディア、新聞、雑誌、テレビ)、

✓広告代理店、

✓ASP、

✓アドネットワーク事業者、プラットフォーマー

も規制対象者となります。


実際の摘発事例~ステラ漢方事件


薬機法違反により、広告主のみならず広告代理店の従業員も逮捕されたケースとして有名なのがステラ漢方事件です。

出典:月間ネット販売https://nethanbai.co.jp/archives/11465




未承認医薬品の広告禁止や誇大広告の禁止は、それをした会社だけでなく個人も刑事罰の対象者となります。

また、上記図表では従業員などの記載にとどめていますが、実名報道がなされており、検索すると実名が出てきてしまいます。


そのため、D2C事業者やEC事業者のみならず、


✓D2C/EC事業者の役員・従業員

✓広告代理店及びその役員・従業員

✓インフルエンサーマーケティング事業者及びその役員・従業員

✓インフルエンサー


も、広告表現については十分に留意する必要があります。


まとめ


✓健康食品や化粧品のD2C事業者や広告代理店、インフルエンサーが気を付けるべき薬機法の広告規制は、誇大広告禁止と未承認医薬品の広告禁止

✓薬機法の誇大広告禁止と未承認医薬品の広告禁止の対象は「何人も」であり、禁止広告をした者は誰でも規制対象となる

✓実際のケースでは、D2C事業者従業員のみならず、広告代理店の従業員らも逮捕され、広く実名報道がなされた


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